会社員の医療費控除やり方|子どもの医療費は無料でも祖父母の通院費で10万円超えた話【実体験】

税金・制度系

🦥 この記事を書いた人:管理職歴7年以上の会社員。家族6人(夫婦+子ども2人+同居の祖父母)。子どもの医療費は自治体の助成で無料だが、祖父母の通院費や自分の医療費を合算したら10万円を超えていた年に確定申告で還付金を受け取った実体験をもとに書いています。専門家ではないため、最終判断はご自身でお願いします。

「医療費控除って10万円超えないと使えないんでしょ?うちは超えてないと思う」

筆者もずっとそう思っていました。

でも家族6人分の医療費をちゃんと合算したら、余裕で10万円を超えていたんです。

同居の祖父母の通院・薬代、筆者自身の整形外科や歯科、子どもの手術入院の食事代、妻の通院、治療目的で買った市販の風邪薬や鎮痛剤——全部合わせたら年間20万円近くになっていました。

「子どもの医療費は無料だから控除は関係ないでしょ?」と思っていましたが、子ども以外の家族の医療費だけで余裕で超えます。

確定申告したら還付金が約3万円。何もしなければ消えていたお金です。

この記事では、家族が多い会社員が医療費控除を使って税金を取り返す手順を、実体験ベースで解説します。

📌 この記事でわかること

  • 医療費控除の仕組みと「10万円の壁」の正体
  • 子どもの医療費が無料でも10万円を超える理由(祖父母の医療費が鍵)
  • 【要注意】祖父母の医療費を合算するための2つの条件
  • 家族6人分の医療費を合算する方法
  • 対象になるもの・ならないもの一覧
  • 県民共済の保険金は差し引く必要がある?
  • セルフメディケーション税制との違い
  • スマホでの確定申告の手順
  • 還付金3万円の計算内訳

医療費控除とは?会社員でも確定申告すれば税金が戻る

医療費控除は、1年間(1月1日〜12月31日)に支払った医療費が一定額を超えた場合に、所得から控除できる制度です。

年末調整では処理できません。会社員でも自分で確定申告する必要があります。

ここが面倒なポイントですが、逆に言えば「やった人だけ得をする」制度です。やらなければ1円も戻ってきません。

計算式はシンプル

(1年間の医療費の合計 − 保険金等で補填された額) − 10万円 = 医療費控除額

※総所得が200万円未満の場合は「10万円」の代わりに「総所得の5%」

この「医療費控除額」に自分の所得税率をかけた金額が、還付金として戻ってきます。さらに翌年の住民税も安くなります。

【実例】筆者の家族6人の医療費を公開

ある年の我が家の医療費の内訳はこんな感じでした。

誰の医療費 内容 年間の金額(概算)
祖父 内科・整形外科の定期通院、処方薬代 約50,000円
祖母 内科・眼科の定期通院、処方薬代 約40,000円
筆者 整形外科(腰痛)・歯科・内科 約30,000円
産婦人科・内科・歯科 約25,000円
子ども 手術入院の食事代・診断書代(※医療費自体は自治体助成で無料) 約8,000円
子どもたち 通院の医療費(※自治体助成で自己負担なし) 0円
家族全員 治療目的の市販薬(風邪薬・胃腸薬・鎮痛剤等)※セルフメディケーション税制と併用不可 約20,000円
家族全員 通院の交通費(電車・バス) 約10,000円
合計 約183,000円

一つ一つは大した金額ではありません。でも家族6人×1年間で積み上げると、あっさり10万円を超えます

ポイントは祖父母の医療費です。高齢者は内科・整形外科・眼科など定期通院が多く、処方薬代も毎月かかります。ただし、祖父母の医療費を自分の医療費控除に合算するには2つの要件を満たす必要があります。

【要注意】祖父母の医療費を合算するための2つの条件

これ、筆者も最初は知りませんでした。「同居してるから当然OK」と思っていましたが、それだけでは不十分です。

条件①:「生計を一にする」こと

祖父母との関係 判定
同居している ✅ 原則OK(自動的に認められる)
別居だが生活費・療養費を仕送りしている ✅ OK
別居で仕送りもなし(それぞれ独立した家計) ❌ 対象外

同居しているなら基本的にクリアです。別居でも、生活費や療養費を仕送りしていれば「生計を一にする」と認められます。

条件②:「納税者が実際に支払った」こと

ここが意外な落とし穴です。「生計を一にしている」と「実際に払った」は別の話です。

祖父母が自分の年金から自分で医療費を払っている場合、それは筆者の医療費控除には合算できません。あくまで「納税者(=筆者)が支払った医療費」が対象です。

🦥 筆者がやっている対策
同居で家計が一体(生活費を家族全体でやりくり)なら、「誰の財布から出たか」を厳密に問われることは実務上少ないです。ただし税務署に突っ込まれるリスクをゼロにするために、筆者は以下を心がけています。

  • 祖父母の通院に付き添う時は、窓口で自分が支払う
  • 処方薬代も、できるだけ自分名義のクレジットカードや口座から引き落とす
  • 「自分が払った」と言える状態にしておくことで、万が一の税務調査にも対応できる
💡 まとめ:祖父母の医療費を合算する条件

  • ✅ 同居 or 仕送りをしている(生計を一にする)
  • ✅ 医療費を自分(納税者)が支払っている
  • ❌ 祖父母が年金から自分で全額払っている場合は合算不可

📎 参考:国税庁「医療費を支払ったとき(医療費控除)」

一方、子どもの医療費は自治体の助成で無料なので、医療費控除にはほぼ貢献しません。手術入院の食事代や診断書代など「助成の対象外」の実費だけが計上できます。

🦥 筆者の正直な反省
過去何年も「子どもの医療費は無料だし、うちは10万円超えてない」と思い込んで確定申告していませんでした。ある年、祖父母の通院費と自分の歯科代を全部集計してみたら余裕で超えていた。しかも医療費控除は過去5年分まで遡って申告できるので、過去の分もまとめて申告しました。これを読んでいるあなたも、まずは今年の分を集計してみてください。

県民共済の保険金をもらったら差し引く必要がある?

これ、筆者も最初に迷ったポイントです。

結論:県民共済や生命保険からもらった保険金・給付金は、「その治療にかかった医療費」から差し引く必要があります。

例えば、筆者の子どもがヘルニアの手術入院をした時、県民共済こども型から約20万円の給付金を受け取りました。

項目 金額
手術入院の自己負担額 約8,000円
県民共済からの給付金 約200,000円
医療費控除の計算上の医療費 0円(保険金が上回るため)

ただし重要なルールがあります。

保険金で差し引くのは「その治療にかかった医療費の範囲まで」です。保険金が医療費を上回っても、他の治療の医療費からは差し引きません。

つまり県民共済から20万円もらっても、差し引くのは手術入院の8,000円分だけ(結果0円)。他の家族の通院費や市販薬の費用から20万円を引く必要はありません。

ここを間違えると医療費控除の金額が激減してしまうので要注意です。

▶ 県民共済の給付金の詳細はこちら:子どもの手術入院で実費8,000円・県民共済から約20万円もらった話

対象になるもの・ならないもの一覧

✅ 対象になる ❌ 対象にならない
病院の診察料・治療費 美容整形
入院費(食事代含む) 予防接種(インフルエンザ等)
歯科治療(虫歯・矯正※子どもの場合) 大人の美容目的の歯列矯正
処方薬の費用 健康診断・人間ドック(異常が見つかった場合は対象)
治療目的の市販薬(風邪薬・胃腸薬・鎮痛剤等)※ サプリメント・ビタミン剤・予防目的の購入
通院の交通費(電車・バス) 自家用車のガソリン代・駐車場代
出産費用(検診・分娩) 里帰り出産の帰省交通費
松葉杖・コルセット等の医療器具 メガネ・コンタクトレンズ
介護サービスの自己負担分(一部) 介護施設の日常生活費
⚠️ 「セルフメディケーション税制」との違いに注意

市販薬に関連する制度は2つあり、併用できません

  • 医療費控除:治療目的の市販薬(風邪薬・鎮痛剤・胃腸薬等)を他の医療費と合算して10万円超の部分を控除
  • セルフメディケーション税制:特定の「スイッチOTC医薬品」(パッケージに識別マークあり)の購入額が年間12,000円超の部分を控除(上限88,000円)。健康診断や予防接種を受けていることが条件

筆者のように家族の医療費が10万円を超えている場合は、通常の医療費控除を選んで市販薬も合算するほうが得になるケースが多いです。逆に、医療費は少ないが市販薬を多く買っている人はセルフメディケーション税制のほうが得な場合もあります。どちらが有利か、両方の金額を計算してから選んでください。

🦥 筆者が見落としていたもの
「通院の交通費」と「市販薬」です。病院で処方された薬は誰でも計算に入れますが、治療目的でドラッグストアで買った風邪薬や鎮痛剤も医療費控除に含められます。家族6人で1年間に買う市販薬の合計は意外と大きい。交通費もバス代・電車代は領収書なしで自己申告OKです(ただしメモは残しておくこと)。

還付金3万円の計算内訳

筆者のケースで実際にどう計算したかを公開します。

項目 金額
年間の医療費合計 約183,000円
保険金等で補填された額(子どもの手術分) ▲8,000円(自己負担を上限に差引)
差引後の医療費 約175,000円
10万円を差し引く ▲100,000円
医療費控除額 約75,000円

この医療費控除額75,000円に所得税率(筆者の場合20%)をかけると、

75,000円 × 20% = 約15,000円(所得税の還付)

さらに翌年の住民税が、

75,000円 × 10% = 約7,500円(住民税の軽減)

合計で約22,500円〜30,000円のメリットになります。

※iDeCoやふるさと納税の控除と合わせて確定申告しているため、実際の還付金はこれらの合計額です。

▶ 筆者の確定申告の全手順はこちら:【実体験】確定申告をスマホでやってみた|還付金7万円が返ってきた話

医療費控除の確定申告 やり方【4ステップ】

ステップ①:1年間の医療費の領収書を集める

家族全員分の領収書を1箇所にまとめます。

領収書を捨ててしまった場合でも、健康保険組合から届く「医療費のお知らせ」があれば代用できます(保険診療分のみ)。

マイナポータルと連携すれば、医療費情報を自動で取得して確定申告書に反映させることも可能です。

ステップ②:医療費控除の明細書を作る

国税庁の確定申告書等作成コーナーで「医療費集計フォーム」をダウンロードし、家族ごとに医療費を入力します。

  • 医療を受けた人の名前
  • 病院・薬局の名前
  • 支払った金額
  • 保険金等で補填された額

一件ずつ入力する必要はありません。同じ病院・同じ人は年間の合計額でOKです。

ステップ③:確定申告書を作成する

スマホ+マイナンバーカードで完結します。

  • 本業の源泉徴収票を手元に用意
  • 国税庁の確定申告書等作成コーナーにアクセス
  • 給与所得を入力
  • 医療費控除の明細書をアップロード or 手入力
  • iDeCo・ふるさと納税等の控除も一緒に入力

医療費控除だけで確定申告するより、iDeCoやふるさと納税(6自治体以上)の控除もまとめて申告するのが効率的です。

▶ 年末調整で使える控除一覧:【保存版】年末調整で損しない方法|会社員が知っておくべき控除一覧

ステップ④:e-Taxで送信

マイナンバーカードをスマホにかざして電子署名→送信。税務署に行く必要はありません。

還付金は申告から1〜2ヶ月で指定口座に振り込まれます。

家族が多い人は毎年チェックすべき

「うちは健康だから10万円も行かないでしょ」

筆者も同じことを思っていました。でも家族が6人もいると、全員が完全に健康な年はほぼありません。

  • 祖父母の定期通院+処方薬代で年間7〜10万円(これだけでほぼ足切りライン)
  • 夫婦の歯科・内科・整形外科で3〜5万円
  • 市販薬(風邪薬・花粉症の薬・胃腸薬)で年1〜2万円
  • 通院の交通費で1万円前後
  • 子どもの医療費は無料でも、手術や入院の食事代・診断書代は自己負担

祖父母と同居している世帯は、祖父母の医療費だけでほぼ10万円に届きます。あとは自分や妻の分を少し足せば超える。「子どもの医療費が無料だから関係ない」という思い込みが一番もったいない。

年末に「今年は超えたかな?」とチェックする習慣をつけるだけで、毎年数万円の還付金を取り逃さずに済みます。

💡 過去5年分も遡って申告できる

  • 医療費控除の還付申告は、対象年の翌年1月1日から5年以内に申告可能
  • 2021年分の医療費は2026年12月31日まで申告OK
  • 過去に「超えていたかも」と思う年があれば、今からでも間に合う
  • 「医療費のお知らせ」が手元にあれば領収書がなくても申告可能(保険診療分)

まとめ|家族が多い会社員は医療費控除を絶対チェックしよう

  • 医療費控除は年末調整では使えない——自分で確定申告が必要
  • 家族全員分の医療費を合算できる(生計を一にしていれば同居でなくてもOK)
  • 子どもの医療費が無料でも、祖父母の通院費+自分の医療費で10万円は超える
  • 祖父母の医療費を合算するには「生計を一にする」+「自分が支払った」の2つの条件が必要
  • 治療目的の市販薬・通院の交通費も対象——見落としがちな項目を拾うだけで10万円を超える
  • セルフメディケーション税制との併用は不可——どちらが有利か両方計算してから選ぶ
  • 県民共済等の保険金はその治療分だけ差し引く(他の治療費からは引かない)
  • 過去5年分まで遡って申告できる——今からでも間に合う
  • スマホ+マイナンバーカードで確定申告は完結する

家族が多い人ほど、医療費控除は「やるかやらないかで毎年数万円の差が出る」制度です。特に祖父母と同居している世帯は、高齢者の定期通院費だけで足切りラインに近づきます。

「子どもの医療費が無料だから関係ない」で終わらせず、まずは家族全員分の今年の領収書を集めるところから始めてみてください。

▶ スマホでの確定申告手順:【実体験】確定申告をスマホでやってみた|還付金7万円が返ってきた話

▶ 県民共済の給付金体験談:子どもの手術入院で実費8,000円・県民共済から約20万円もらった話

▶ iDeCoの節税:iDeCoとは?会社員が絶対やるべき理由をわかりやすく解説

▶ 新NISAの始め方:新NISAの始め方|iDeCoと併用した全手順

▶ 年末調整の控除一覧:【保存版】年末調整で損しない方法

⚠️ 免責事項
本記事は筆者個人の体験・見解に基づくものです。税制は法改正等により変わる場合があります。医療費控除の最終的な判断は必ず税理士等の専門家にご相談ください。金額は概算であり、実際の還付金額は所得や控除の状況により異なります。
📎 参考:国税庁「医療費を支払ったとき」 / 国税庁 確定申告書等作成コーナー

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